日本笑いヨガ協会のオンラインサロン笑い道では、ほぼ毎週ライブ配信や勉強会を行っています。
7月8日土曜日のウィークエンドライブのテーマは、介護手法であり、哲学であるユマニチュードでした。
Zoomには、新ティーチャーの山本有美さんが参加してくださいました。
ユマニチュード(Humanitude)とは、知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケア技法。
1979年にフランスの体育学教師だったイヴ・ジネスト氏が考案したと言われています。
フランス語で「人間らしさ」という意味で、その人らしさを尊重しようというものです。これ、多分23年ほど前に大学院の社会福祉の授業で習ったのが最初です。
次が5年ほど前、認知症ケアの研究会に呼ばれた際に、他の講師がユマニチュードを教えていて、映像がすごくおもしろかったのです。
講師は北九州の歯科医師で、認知症の口腔ケアに取り組んでいる久保哲郎先生でした。
久保先生は、五感の刺激によって身体を動かし、手を動かし、足を動かし、口を動かす。
その人らしく、認知症を改善していく可能性があるものとしてユマニチュードを紹介させていました。
尊厳を保ちながらケアを行うためのコミュニケーション技法や哲学であるユマニチュードは、自分自身や自分の大切な人にやってもらいたいと思っていたのですが、久保先生の話を聴いていると、ケアリングクラウンにも笑いヨガにも通じるものがあるとがあると思いました。
【参考映像】
講義はとてもシンプルで
「見る」
認知症の人は、正面から近づき、目線の位置に気を付け、正面から長時間お顔を見ます。
「話す(声かけ)」
今行っているケア(マッサージや着替え)を、実況するように、ゆっくりと話しかける、
また、相手の些細な変化を言葉にするのだそうです。
「触れる」
手を広い面でしっかりとしたから触れることで、安心感を与えます。
下記はしないように気を付けます。
・指先でトントンとたたくと相手に否定的な印象になる。
・つかむのはダメ。恐怖感を与える
触れるという行為、タッチケアは、オキシトシンを分泌させ、ストレスホルモンであるコルチゾールを低下させます。脳の神経細胞の機能を向上させる効果があります。
「立つ」
本人の状況に応じて、起立や歩行をさせたり、口や手足の運動ができるように試みるというものでした。せっかちは禁忌ということでした。
ポイントを教えていただきました。
物忘れを責めない
受容的な対応を心がける
ご本人が持っている能力への働きかけ、ご本人の能力を奪わない
不信・不安・恐怖感の助長をしない
ストレス解消を図る
適切な栄養管理を計る
適切な生活環境を構築する
適切なケアを受けるために、的確な情報伝達を行う
久保哲郎先生は歯科医師として、古田喜代子さんは訪問歯科衛生士として、認知症の方の歯科に携わっておられるのだと思います。
これまで大変したユマニチュードより、さらに専門的な視点がみられました。
そして、ふと思ったのが、これまで私たちが携わってきた認知症の方への笑いヨガの関わり方は、もしかしたらユマニチュードのコミュニケーションが、自然に取り入れられていたのかもしれないと感じました。
認知症の皆さんも、実によく笑います。
しかし、言葉で笑わせるのではなく、一同じ目線で楽しい気分に一緒に盛り上がるのです。
身体を動かし、口を動かし、声を出し、その空間の中では認知の程度や疾病は関係なく、先生もいません。
場をリードする役割ではありますが、一緒に笑いあいながら、皆で場をつくります。
笑いヨガとユマニチュード
目の前にいる人を、大切にする。笑顔になれるよう、良い影響を与え合えることができるよう、かかわる。
その原点は、共通していると感じました。
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